今までは、引用文献との対比実験を行う等の合理的な理由がない限り、拒絶理由の応答期間を延長することができませんでした。しかし、日本がシンガポール条約に加盟するそうです。そこで、運用をシンガポール条約に合わせるため、拒絶理由の応答期間を変更することになりました。

根拠条文は特許法第26条になるのでしょうかね。日本と条約の規定が異なる場合には条約の規定を優先適用されますが、国内でも具体的に規定されていないと、シンガポール条約をすべて把握しないといけないので、逐一改定してくれると思います。

 

具体的な応答期間は、合理的な理由がなくても延長請求により、

特許出願の場合:60日+2か月

商標登録出願の場合:40日+1か月

の延長が可能になります。しかも、期間を徒過しても、延長期間内であれば延長請求により延長が可能なようです。随分緩和されますね。この運用は、2016年4月1日施行のようです。

ただ、審判請求後の拒絶理由(前置審査での拒絶理由を含む。)には適用されないようです。また、意匠登録出願の拒絶理由の応答期間は延長することができません。シンガポール条約が意匠に関して規定していないのでしょうか。詳細は以下に図示されていますので、ご覧ください。

図1

図2

図3

図4