かなり久しぶりの投稿になります。これから投稿頻度を上げていきたいと思います。

日本の特許出願を基礎として優先権の主張を伴う国際出願をし、その後日本に国内移行を行うと、国内優先権が適用されますので基礎出願は取り下げられたものとみなされます(42条)。
基礎出願の取下擬制は不利益行為ですので、委任状が必要になります(9条)。

包括委任状が提出されていない場合には、出願毎に個別委任状を提出する必要があります。
個別委任状の提出は、出願人の押印がある書面を特許庁に郵送で送ることにより行います。

ここで、国際出願のISRの結果がすべてのクレームで「A」である場合、一刻も早く国内移行後の審査を開始して欲しいと思うことがあります。早く審査を開始してもらうための手段として、スーパー早期審査の手続きを行うことが挙げられます。

スーパー早期審査の手続きを行うためには、以下の2つの要件を満たしている必要があります。
(1)「実施関連出願」かつ「外国関連出願」であること、又はベンチャー企業による出願であって「実施関連出願」であること
(2) スーパー早期審査の申請前4週間以降になされたすべての手続をオンライ ン手続とする出願であること

この中で、手続き上(2)が大変重要になります。
(2)は、要するに、書類を郵送で送る場合には、庁内での電子化処理として4週間が必要であるため、郵送した日から(19条により発信主義が採用されます。)4週間後(3条による期間の計算が適用されます。)にスーパー早期審査の申請をしてください、ということです。

ここで、個別委任状は書面を郵送で送る必要があります。国内移行の際に個別委任状の送付と同時にスーパー早期審査の申請を行うと、(2)の要件を満たさないことになるため、その特許出願は通常の早期審査の対象になってしまいます。
一方、包括委任状を提出していれば、電子化処理を行う必要はありません。

このため、個別委任状を提出してスーパー早期審査を申請すると、包括委任状を提出している状態でスーパー早期審査を申請する場合と比較して、審査開始時期が4週間遅くなってしまいます。

スーパー早期審査の申請をご希望でしたら、包括委任状の提出をお勧めいたします。